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【系外惑星】太陽系の外にある惑星の研究! 新たな惑星形成理論や地球外生命の探索へ

私たちの住む地球は、太陽の周りを回る惑星です。同様に、夜空に浮かぶたくさんの恒星にも、周囲を回る惑星があるはず。それを「系外惑星」と呼びます。系外惑星はいったいどのような星なのでしょうか。そこに地球外生命は存在するのでしょうか。今回は、観測技術が発展し、さまざまな研究が可能になってきた「系外惑星」の研究について解説します。

太陽系以外にも惑星はある! 系外惑星の発見

恒星(主星)の周りを惑星が巡る−−。これは私たちの生きる太陽系に限ったことではありません。ただ、夜空に浮かぶ無数の恒星を、望遠鏡でのぞいてみても、目に映るのは自ら光を放つ恒星だけ。しかしその周囲には惑星が回っているかもしれません。

そのような太陽系の外にある惑星を「系外惑星」「太陽系外惑星」と呼びます。そして、観測技術が発達した結果、恒星だけでなく、系外惑星を発見、研究できる時代が到来しているのです。

<京都大学 新入生向け:プレ講義 理学への招待「物理学:系外惑星に第二の地球を探す」佐々木 貴教(理学研究科 助教)>

太陽系にある惑星も多種多様

本題である系外惑星の話に入る前に、私たちの太陽系を構成する惑星についておさらいしておきましょう。太陽系には、水星、金星、地球、火星、木星、土星、天王星、海王星の8個の惑星があります。これらは大きく3タイプに分類できます。

太陽系惑星の分類

岩石惑星 水星、金星、地球、火星 岩石と金属などから構成される小型の惑星。太陽に近いエリアを周回している。地球型惑星とも呼ばれる。
巨大ガス惑星 木星、土星 水素やヘリウムなどのガスを主成分とする惑星。木星型惑星とも呼ばれる。
巨大氷惑星 天王星、海王星 メタンやアンモニア、水を主成分とする惑星。かつては巨大ガス惑星の一種と考えられていた。

このように異なるタイプの惑星が存在するのは、太陽系の形成に関わっていると考えられています。まず、宇宙に浮かぶチリやガスなどが集まって太陽が生まれ、周囲に残ったガスやチリが太陽の周辺を回りながら衝突、合体を繰り返して塊、微惑星となります。この微惑星がさらに衝突、合体を繰り返して惑星と成長します。

このとき太陽との距離で違いが生じます。太陽に近いエリアは温度が高いため、氷などは溶けてしまい、ガス、岩石や鉄などの金属のチリが多く残り、地球のような岩石惑星ができあがります。一方、太陽から遠く温度が低いエリアは氷も残るため、ガスや氷を取り込み巨大ガス惑星ができあがるのです。さらに太陽から遠いエリアではガスの量が少なく、ガスに覆われていない巨大氷惑星が作られます。

この惑星形成の理論は、20世紀に京都大学を中心に進められた「京都モデル」がベースとなっています。

系外惑星は、太陽系の惑星と共通するのか?

では、他の恒星系の惑星はどうなっているのでしょうか。私たちの太陽系と同じような惑星が並んでいるのか、それともまったく異なる姿をしているのか。それは太陽系の惑星だけを見ていてはわかりません。

系外惑星の見つけかた

とはいえ自ら発光する恒星と違い、恒星の光を反射するだけの惑星を見つけるのは容易ではありません。そこで、間接的な方法で系外惑星を発見する方法が考案されました。代表的な方法を紹介します。

視線速度法

「恒星はまったく動かない」ように思われがちですが、実は違います。恒星も惑星もそれぞれ引力を持ち、お互いに影響を与えているため、惑星の引力の影響を受けて恒星もわずかですが「揺れている」のです。

そこで規則的に揺れている惑星があれば、「それは惑星の影響ではないか」と考えられます。このように、「恒星の揺れ」をドップラー効果から分析して惑星を探す方法を「視線速度法」(ドップラー法)と呼びます。

これは、救急車のサイレンが自分に近づいてくるときと遠ざかるときとで、違った音に聞こえるように、光を発するものが自分に近づくときと遠ざかるときとで波長が異なります。そこで光の波長の変化を見ることで、規則的な恒星の揺れを検知するという方法です。

食検出法

私たちの地球でも、太陽の前を火星が横切ることがあります。その瞬間、ごくわずかに太陽からの光が弱まります。このように星と星が重なる現象を「食」と呼びます。

同様に、はるか遠くにある恒星の前を惑星が横切ることもあります。そこで周期的に光が弱まる恒星があれば、その恒星には惑星があると考えられます。このように食の際の光量の変化から惑星を探す方法を「食検出法」(トランジット法)と呼びます。

その他の系外惑星の探索方法

ほかにも重力マイクロレンズ法、アストロメトリ法などの方法があります。

空間は重力によってゆがみますが、重力レンズという現象で空間のゆがみを検知できます。そのゆがみを分析して系外惑星を探すのが重力マイクロレンズ法です。アストロメトリ法は、視線速度法と同じく「恒星の揺れ」を検知するものですが、ドップラー効果ではなく、位置の変化を分析するものです。

そのような方法、あるいはいくつかの方法を組み合わせることで、以下のデータを分析できるのです。

  • 系外惑星の質量、大きさ
  • 系外惑星の公転軌道、公転周期、離心率
  • 系外惑星の大気組成
  • 系外惑星の温度

なお、惑星を直接観測するのは容易ではないと説明しましたが、恒星に近く、観測できるだけの熱放射があるなどの条件が整えば、系外惑星を直接観測できる「直接撮像法」も可能になっています。

初期に発見された系外惑星はホットジュピター

それらの方法が確立されたことで、少しずつ系外惑星が発見されるようになっていましたが、大きく進んだのは航空宇宙局(NASA)が打ち上げたケプラー衛星によるところが大きいでしょう。ケプラー衛星のミッションは系外惑星の発見であり、2009年の打ち上げ以降、数千もの系外惑星が見つかっています。

現在ケプラー衛星は燃料を使い果たし活動していませんが、同じくNASAにより2018年に打ち上げられたTESS衛星により系外惑星の研究は引き継がれています。また2021年に打ち上げられたばかりのジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡は赤外線カメラを搭載し、銀河の形ができあがりつつあったころの光までも集められるため、系外惑星の探索にも期待されています。

・天文学辞典:ケプラー衛星

・TESS衛星

では、それらの取り組みから発見された系外惑星はどのようなものなのでしょうか。

ホットジュピター

ジュピターとは木星のこと。ホットジュピターは、木星のような巨大ガス惑星を意味し、太陽系の木星と同じく巨大な質量を持つ系外惑星のことを指します。そして恒星に近い軌道を公転しているため、高熱であると考えられるので、「ホットジュピター」と呼ばれています。

・ホット・ジュピター(ウィキペディア)

なお、ホットジュピターがたくさん見つかっているとしても、それは「この宇宙の系外惑星はホットジュピターが多い」ということを意味するわけではありません。ホットジュピターのタイプの系外惑星が発見しやすいというだけで、まだまだ発見されていない系外惑星は膨大に残されているはずです。

ホットジュピターのほかに、以下のようにさまざまなタイプの系外惑星が発見されています。

さまざまなタイプの系外惑星

コールドジュピター 恒星から遠くを公転している巨大ガス惑星
スーパージュピター  木星よりもはるかに大きな巨大ガス惑星
ミニネプチューン 天王星や海王星のタイプの氷惑星

エキセントリック・プラネット

太陽系の惑星は、ほぼ「円」の形の公転軌道を描いています。ところが、大きくゆがんだ「楕円(だえん)」軌道を描いて公転している系外惑星も数多く発見されています。そのように大きく楕円を描いて公転する系外惑星を「エキセントリック・プラネット」と呼びます。

京都モデルとの矛盾から新たな惑星形成モデルへ

太陽系の木星は恒星から遠くを公転していますが、ホットジュピターは恒星の近くを公転しているものもあります。しかし太陽に近いところに岩石惑星、遠くに巨大ガス惑星ができるという「京都モデル」とは矛盾します。

また太陽系の惑星は、太陽の自転と同じ方向に公転していますが、ホットジュピターのなかには逆方向に公転している星も発見されています。

このことから、私たちの太陽系とは異なる形で惑星が作られたのではないかという推論がなりたちます。

例えば、「惑星は公転軌道を変える」という仮説も生まれています。つまり、惑星は恒星に近づいたり離れたりしているのではないかという考えです。実際、私たちの太陽系についても「昔の木星や土星はもっと内側を公転していたのではないか」という説も考えられています。この新しい惑星移動の仮説は「ニースモデル」と呼ばれています。

・ニースモデル(ウィキペディア)

岩石惑星の発見。そして地球外生命の探索へ

当初はホットジュピターのような巨大ガス惑星の発見が多かったのですが、技術の進歩により質量の低い系外惑星も発見されるようになりました。そのなかには地球のような岩石惑星も含まれます。

地球の数倍の質量を持つ岩石惑星を「スーパーアース」と呼びますが、探索精度が高まるにつれ、より小さな岩石惑星も確認できるようになってきています。

地球のような岩石惑星が発見されるとなれば、期待されるのは地球外生命です。

ハピタブルゾーンにある岩石惑星から地球外生命を探す

ハピタブルゾーンとは、生命が存在できるエリアのこと。地球のように恒星に程よく近い暖かなエリアでは、水が凍ることなく液体として存在できます。もし他の恒星系のハピタブルゾーンに岩石惑星が存在し、液体の水があれば、生命が存在する可能性が高まります。

例えば、地球からもっとも近い恒星プロキシマ・ケンタウリにはプロキシマ・ケンタウリbという惑星が確認されていますが、この星はハピタブルゾーンに存在すると見られています。また2022年、東京大学大学院総合文化研究科らの研究チームは、太陽系から約100光年の距離にある赤色矮星(わいせい)の系外惑星を発見、ハピタブルゾーンにあることを確認しました。

このように「第二の地球」と呼ばれるような地球に似た系外惑星の探索は続けられています。今後、大気組成などを分析していけば、地球外生命に研究につながる発見があるかもしれません。

・【研究成果】ハビタブルゾーンにあるスーパーアースを発見:東京大学

恒星の周囲を回らない、宇宙を漂う自由浮遊惑星

惑星といえば、恒星の周囲を回るものと考えるのが一般的ですが、例外もあります。それが「自由浮遊惑星」と呼ばれるものです。

恒星の周辺で惑星が作られる過程で、何らかの理由で公転軌道を離れ、恒星系の外に飛び出してしまうことが考えられます。自由浮遊惑星は、そのような理由で恒星の周囲を回らずに宇宙を浮遊している星です。

最初に発見されたのは2002年のこと。オリオン座σ星星団のなかに、どの恒星系にも属さない、木星の3倍ほどの惑星が発見されました。2021年には、ボルドー大学、東京大学、アストロバイオロジーセンターを中心とする国際研究チームは、星のゆりかごと呼ばれる星形成領域において約100個もの自由浮遊惑星を発見しています。

どうやら私たちの想像以上に、この宇宙にたくさんの自由浮遊惑星が漂っているようです。

・星のゆりかごを撮影した画像から多数の浮遊惑星を発⾒:すばる望遠鏡

「系外惑星」について学べる大学の学部、学科

系外惑星の研究は、宇宙物理学、天文学、惑星科の分野になるので、理学部、理工学部などで扱われます。東京工業大学のように「系外惑星観測研究センター」といった研究拠点を持つ大学もあります。

・系外惑星観測研究センター:東京工業大学理学院

日本の学生による系外惑星の発見も

ところでケプラー衛星は、恒星の明るさの変化から系外惑星を探す食検出法を利用します。しかし、恒星の光量変化は食だけではありません。そのため、得られたデータを丁寧に分析し、系外惑星であることを確認していく必要があります。

2018年、東京大学では、学生がケプラー衛星のデータをもとに、地上にある望遠鏡のデータも含めて分析したところ、44個もの系外惑星を確認しました。

・東京大学の大学院生が太陽系外惑星を一度に44個も発見

このように学生が主導的に活動して大きな発見を成し遂げられるのも、この分野の醍醐味(だいごみ)といえるでしょう。

参考

・国立天文台:太陽系外惑星探査プロジェクト室

・ExoKyoto

・惑星探査と太陽系外惑星探査:地球外生命体は見つかるか?

・太陽系外惑星