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【大量絶滅】絶滅と繁栄を繰り返してきた生物の歴史。解明のヒントは月でも発見!

恐竜絶滅が有名なように、地球の生物は大量絶滅と大繁栄を何度も繰り返しながら進化をしてきました。そして多くの種が絶滅した後には、新しい種が出現して、まったく新しい世界を作り上げてきました。では、何が原因となり大量絶滅は起こったのでしょうか。今回は謎の多い生物の「大量絶滅」について解説します。

過去5回の生物の大量大絶滅

近年人間の活動が招いた地球温暖化により多くの種が絶滅するのではないかと懸念されていますが、地球上の生物はこれまでに何度も絶滅を乗り越えてきました。この大規模な絶滅を「大量絶滅」「大絶滅」と呼びます。

これまで5回あった大量絶滅

中でも、これまでに5回起こっている、特に規模の大きな絶滅を「ビッグファイブ」「5大絶滅」と呼んでいます。

【1回目】 約4億4400万年前(オルドビス紀末) 

海に住む三葉虫、腕足動物(貝に似た生物)などの多くが絶滅しました。

【2回目】 約3億7400万年前(デボン紀後期) 

陸上に進出を始めていた植物や動物、海に住む甲冑魚(硬い外骨格を持つ魚)などの古代魚が絶滅しました。

【3回目】 約2億5100万年前(ペルム紀末)  

全生物の9割以上の真核生物が絶滅するという史上最大の絶滅が起こりました。

【4回目】 約1億9960万年前(三畳紀末)  

海中のアンモナイト、陸上の大型爬虫類などが絶滅しました。

【5回目】 約6600万年前(白亜紀末)

小惑星が地球に落下し、その影響を受けて恐竜など多くの生物が絶滅しました。

大量絶滅には、新しい種の進化、繁栄の時代が到来

大量絶滅が起こると、これまで特定の生物がいた場所に空きが生じます。その空きを埋めるように、生き延びた生物が住み着いて、進化して新たな種が生まれます。例えば恐竜の時代、哺乳類は小さな弱い生物でしたが、5回目の大量絶滅で恐竜が絶滅したあとに、哺乳類が活動を広げ、大型化と多様化を果たして繁栄を極めて現在に至ります。

それは恐竜絶滅のときだけではありません。その前の4回目のときも、大型の爬虫類などが絶滅したあとに、恐竜が大型化し、地上を闊歩(かっぽ)するようになりました。

大量絶滅の原因を探る研究

生命の大絶滅の研究は基本的には、「化石」と「地層」などの調査、分析になります。「ある地質年代では化石が少ない」「この地質年代では化石が多い」「この層を区切りとして、生物の種類が変わった」といった研究を積み重ねていった結果わかったことです。

何度も大量絶滅を繰り返してきた地球の生物ですが、その原因にはさまざまな仮説が示されているので、代表的なものをいくつか紹介します。

隕石、小惑星の衝突

5回目(白亜期末)の恐竜絶滅が有名ですが、その原因はメキシコのユカタン半島に落ちた小惑星の衝突とされています。衝突の衝撃で一帯が焼き尽くされ、巻き起こった粉じんにより長く太陽光が遮られ、さらに火山噴火を誘発し、その結果光合成に影響を与え植物が育たなくなり、気温も低下し、大半の動植物が絶滅したと考えられています。

ただし、小惑星だけが恐竜絶滅の原因とは限りません。そのしばらく前の時代から、発見される恐竜の化石は減り続けていたので、「絶滅に向かっていた恐竜にとどめを刺したのが小惑星の衝突だった」ともいえます。

ちなみに隕石による大量絶滅は、恐竜絶滅のときだけではありません。ビッグファイブには含まれない、規模の小さな大量絶滅には隕石によるものと考えられるものがいくつも見つかっています。例えば、日本の海洋研究開発機構(JAMSTEC)は隕石衝突に由来する深海堆積物を、日本の南鳥島沖で発見しました。これは約1160万年前の大量絶滅につながるものと考えられます。

・最後の生物大量絶滅の原因か?隕石衝突の痕跡を南鳥島沖で発見!

火山の大規模な噴火

火山の大噴火が起こると、一時的に寒冷化が進み、その後、大量に放出された温室効果ガスにより温暖化が進行することがあります。東北大学は、2回目(デボン紀)、3回目の(ペルム紀)の大量絶滅の原因として火山の噴火を挙げています。

・ペルム紀の大量絶滅に続きデボン紀の大量絶滅も大規模火山活動が原因 初めての陸上植生崩壊と大規模火山活動の同時性を実証(東北大学 2021年 | プレスリリース・研究成果)

・史上最大の生物の大量絶滅の原因を特定 地下の炭化水素の高温燃焼が気候変動を起し大量絶滅を起こした(東北大学)

2020年には、九州大学、熊本大学、神戸大学、千葉工業大学、早稲田大学らが、三畳紀に約200万年にわたって雨が増加した「雨の時代」に関する研究を発表しています。そして「火山活動の活発な時期に雨の時代が訪れ、海洋での生物群の大量絶滅や陸上での恐竜の多様化といった生態系の変化が同時に引き起こされた」という仮説を提示しています。

・大量絶滅と恐竜の多様化を誘発した三畳紀の「雨の時代」 
〜日本の地層から200万年にわたる長雨の原因を解明〜(神戸大学)

宇宙からのガンマ線バースト

大きな恒星が終焉(しゅうえん)を迎えるとき、超新星爆発を起こします。そのときに爆発する恒星の北極方向と南極方向に向かって、光速に近いスピードで強いガンマ線が放出されます。これがガンマ線バーストと呼ばれる現象で、宇宙でもっとも強力なエネルギーとされており、何十億光年先までその影響が及ぶほどです。

2005年、NASAとカンザス大学は、1回目(オルドビス紀末)の大量絶滅は、ガンマ線バーストが数十秒間にわたって地球を襲った結果ではないかという仮説を発表しています。

地磁気逆転

地球は大きな磁石であり、北がN極、南がS極になっています。ところが、N極とS極はこれまで何度も入れ替わってきました。そして逆転の際には、徐々に地磁気が弱まっていき、あるとき突然、逆転します。

この地磁気は、宇宙線から地球を守るバリアーの役割を果たしています。その力が弱まると、地球に多くの宇宙線が降り注ぐことになります。地球に降り注いだ宇宙線は大気にぶつかると雲を作りますが、その雲が大量発生すると、太陽の光が雲に反射されて地表に届かなくなり、地球を冷却することになります。

2回目(デボン紀後期)の大量絶滅の時期には、地磁気逆転が頻繁に起こっていました。これが地球の冷却を招き、大量絶滅を招いたという仮説があります。

海洋無酸素事変

海でプランクトンが大量に発生すると、水中の酸素を使い果たして赤潮が起こり、魚介類の死を招きます。そのような海中の酸素不足が地球規模で発生したものが海洋無酸素事変です。原因ははっきりしませんが、これまでの大量絶滅の時期にも、何度か海洋無酸素事変が起こっていることがわかっています。

生物誕生の間もない時期にも起こっていた大量絶滅

ところでビッグファイブの前にも大量絶滅はあったと考えられています。ビッグファイブは、多細胞生物、つまりある程度の大きさを持つ生物の時代に起こったイベントですが、その前には単細胞生物を始めとする非常に小さな生物の時代がありました。

氷の世界が終わって、カンブリア大爆発が起こった

現在の地球で氷に覆われているのは北極、南極の周辺が主ですが、かつて地球全体が氷に覆われていた時代があると考えられています。それは「約22億年前」「約7億年前」「約6億年前」あたりに起こったとされており、スノーボールアース(全球凍結)と呼ばれています。

氷に覆われていると多くの生物は絶滅しますが、一部で生き残った生物が新たな世界を生み出しました。約22億年前のスノーボールアースが終わると真核生物が出現します。そして約12億年前に多細胞生物が出現し、約6億年前のスノーボールアースの後にカンブリア大爆発が到来します。

カンブリア大爆発とは約5億年前に起こった生物大進化のことで、このときに地球の生物が大きく様変わりすることになります。固い殻に覆われた生物、骨を持つ生物、歯や目を持つ生物が出現したのもこの時期です。氷に覆われた世界で多くの生物が滅亡する中、生き抜いたものたちから一気に種類が増え、多様性がもたらされたのです。

カンブリア大爆発の謎を解く鍵は月のクレーターにあった

ところで大量絶滅の研究は、地球上の地層や化石などを研究するものですが、驚くべきことに「月のクレーター」からカンブリア大爆発につながる大きな発見がありました。

大阪大学と東京大学がその時代のクレーターを分析したところ、8億年前、つまりスノーボールアースが始まる少し前に、リンを含むたくさんの小惑星が月に衝突していることがわかりました。月にたくさん衝突しているのであれば、当然地球にも衝突していたはずと想像できます。そしてちょうどその時期、地球の海に含まれるリンの濃度も上昇しています。

ここで見逃せないのは、リンが生物に必要な材料であること。リンはDNAの材料でもあり、植物の三大栄養素のひとつでもあります。そうなるとカンブリア大爆発を招いた要因は、小惑星がもたらした大量のリンなのかもしれません。宇宙から大量に補充されたリンを材料にして生物の多様性が生まれたと想像するとワクワクしますね。

・8億年前、月と地球を襲った小惑星シャワー(大阪大学)

地球が抱えているリスクは温暖化だけではない

今、人類の活動によって地球温暖化が起こり、6回目の大量絶滅へ向かっているのではないかと危惧されています。

しかし今回説明したように、リスクは温暖化だけではありません。火山の噴火や大地震は、ときどき起こっています。また地球の周囲には、たくさんの小惑星が漂っており、ときどき地球に近づいています。地球の磁気もここ200年間は弱まり続けています。

・地磁気の基礎知識(気象庁 地磁気研究所)

温暖化だけでなく、さまざまな方面にアンテナを貼って地球環境の変化を研究し続ける必要があるでしょう。

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「大量絶滅」について学べる大学の学部、学科

大量絶滅の研究は、古生物学、地学、地質学、地球科学、惑星科学などになりますので、理工学部、理学部になります。日本はもちろん、世界各地の地層、海底の地層を掘ったり、化石を発掘して分析したりするので、世界を飛び回ってのフィールドワークも重要になります。

参考

・大量絶滅